▼2003年8月7日放送「豊後水道・日振島のスズキ」

成長するに従って名前が変わる魚を出世魚と言います。スズキもその一つ。
地方によって呼び名はまちまちですが、一般に25センチ位までを「セイゴ」、50センチ位までを「フッコ」、それ以上を「スズキ」と呼びます。ビタミンA・Dが豊富で白身の割に脂肪分が多く、成長するほど美味となります。

今回のスズキは愛媛県宇和島市より沖合22キロ豊後水道のど真ん中に位置する日振島産の養殖もの。豊後水道は、黒潮暖流の影響を強く受ける特有の外洋性海域であるため、水温の年間格差が小さい。又水深も深いため水質の悪化を防いでいます。日振島周辺の速い潮流によって、ここで養殖された魚は余分な脂や臭みが無く、天然に近い身のしまりが高い評価を受けています。
また最近問題となっている養殖魚の伝染病などを防ぐ抗生物質、薬品などは一切使用せず、イワシやサバなどの生き餌を中心に厳選された良質の餌で育てられているので安全性に問題はありません。

日振島では水揚げ前数日(3日〜1週間)餌抜きをすることで、腹部に集まる脂が全身にまわり、より美味な魚になります。水揚げ後はすぐに〆られ血抜きをした後、氷詰めされ10時間前後で全国の市場に出荷されます。
養殖ものといっても、水質の良い条件で育つ天然物に近いスズキは価値が非常に高いのですが、東京・大阪に比べると名古屋ではまだ認知度が低く、セリにかけられるほど入荷しません。柳橋中央市場では今のところ港やまきだけが扱っています。
天然に負けない味で値段は半分、実に貴重なものです。



【問い合わせ先】 港やまき(鮮魚全般) 052-582-3083